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2016年5月9日月曜日

墨汁抵抗の概要

こちらの実験は火災や感電のリスクがあります。実験は安全対策を各自で実施し、自己責任で行ってください。


墨汁抵抗に興味を持たれる方が多いので、墨汁抵抗の概要と題し、
今までやってきたことを時系列で並べ、考え方や、用途、リスクなどについて記述しようと思う。

今までこのブログを読んで頂いている方ならば、すでにご承知の事実とは思うが、基本的なことから説明する。

墨汁抵抗の概要



:抵抗とはアンプなどに使われている抵抗器のことで、市販品には種類が様々ある。

一番良くある抵抗は「カーボン抵抗」と呼ばれるもの
ラジオなどを分解すると、縞模様の芋虫の様な部品が見えると思うが、それである。

*最近のラジオはIC化されていて、見えない事もある。
*縞模様はカラーコードと言い、色分けして抵抗値の大きさを示している。
*カーボン抵抗、金属皮膜抵抗、巻き線抵抗などあるが、見た目はほとんど同じである。

:抵抗器をなぜわざわざ作るのか?

カーボン抵抗は安いものなら100本=100円で売っている。
ばら売りでも1本=7円~30円程度で手に入る。
しかし、巻き線抵抗は1本=500円、さらに人気のブランドでは1本=数千円になる。
なぜ、こんなに値段が違うのか?
高いものも、安いものも、一定の基準を満たしていて使用にはなんら問題ない。
どちらも、それぞれ需要がある。それはつまり、ユーザーは使い分けているという事。
なぜならば抵抗器の使い方で最終的なクオリティーが決まるから。

:買うのはつまらない

確かに、1本=7円のカーボン抵抗から、高級抵抗器に付け替えれば良い音になる。
(1本だけでも)
これはしかしどうも面白くない。抵抗なんてアンプには数十本、場合によっては数百本は使われているので、
あれこれ変えていては、例え1本数百円としても最終的には大きな出費になる。
何よりそれでは、音作りを部品に頼っている事になる。
ここを自作しないで自家製の音とは言い難い。


過去の試作品と実験


過去に作った試作品と行った実験を時系列で並べてみる。

2014年8月


一番最初に作った抵抗器
和紙を丸め、スズメッキ銅線でサイドをかしめ、のちに墨汁を染み込ませた。
最初は半信半疑だったので、あまり入れ込んで大掛かりに作ることはしなかった。



その後、電流を限界まで流し、いつ発火するか試す実験を行った。
と言うのも、紙とカーボンは良く燃えるので、まずは限界値を知らなければ、危なくて使えない訳だ。


2014年9月

この抵抗の良さはすぐに確認でき、すぐにモデルチェンジした。
巻き線化したのである。
いくら良い音だからと言って、抵抗値が1kΩから10kΩまでしかできないのでは使える部分は限られてしまう。目標としては1Ω~5MΩまでを作りたい。

上の写真のように細い糸や太い紙紐を使う事で抵抗値の範囲を広げようとした。
写真は12kΩと1MΩ


2014年11月

アンプとして組んだもの
(プリアンプ、ゲインは40dB)



2015年3月

細い糸を巻き線するのではなく、墨汁自体を希釈して使う方法を試す。
これが上手くいき、すべて同じ太さの紙紐に統一
さらに、墨汁が完全に硬化した後にオイルを染み込ませる。
それは、湿度のよって抵抗値が変化するのを防ぐため、もう一つは接点(紙紐と銅線)の維持のため。


2015年5月

備長炭抵抗の研究開始

墨汁抵抗は低抵抗が苦手である。
せいぜい10Ωまでである。10Ωも少し不安定、30Ω位なら安定
それで備長炭の導入に踏み切った。
備長炭はアモルファスカーボンであり、抵抗値は1Ω~5Ωであり、うってつけなのである。


写真はパワーアンプ
パワーアンプは低抵抗が必要な場合が多い
写真は三洋のIC、LA4902を使っている
ICのフィルターに使えるようになれば目標達成なのである。

ディスクリートで組むことも可能であるが、規模が大きくなるほか、出力用のトランジスタも在庫が少なくなり、いずれ無くなるので、ここはこれからも供給されるであろうICを使う。
各種フィルターに使える抵抗器さえ出来れば、デジタルアンプでもSEPPでも普通に売られているICに対応できる。


以上が墨汁抵抗の今までの成果

使用上の注意


*導体がむき出しになっているため感電にご注意を
私はあえてむき出しの状態で使っているが、被服をかぶせるのも良いだろう。
特に電圧の高い真空管アンプの場合

*湿度によるバイアスの変化に目を配る
オイルを染み込ませることによって湿度の影響を受けにくくなったが、完全ではないので
そのあたりを注意、とくに熱暴走、発火の危険性あり、安全係数を十分取る事

*外来ノイズを拾いやすい
これだけ大きいので想像もつくと思うが、外来ノイズには弱いので、対策が必要
私のアンプはゲインが小さく(フォノピックアップの空気室にマッチングトランスの能力があり)
気にはならないが、MCヘッドアンプから作ったなら、相当しっかり作らなければ使えないだろう。

*誤差が大きい
2電源でSEPPを動かし、中立点からコンデンサ無でスピーカーコイルを駆動するなどは、危ない
誤差が大きいのでその点を踏まえて、回路を選定する事

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