2016年11月1日火曜日
名称改め、プリーツ・スピーカー
ルミエール・ダイアフラム・スピーカーの進化の過程
名称はルミエール・ダイアフラム・スピーカーではやや長い
それに、ルミエールは蓄音機であり、スピーカーとは直接の関係はない。
そこで今後「プリーツ・スピーカー」と呼ぶことにしよう。
最初に制作した物から大きく変わったのは、エッジの部分と、後方のマグネットである。
上の2枚の写真は2016年11月現在の姿。
この写真を見てもらえばわかるが、最初はエッジがシンプル
と言うか、振動膜がそのまま枠に取り付けられている
その後、枠と振動膜の間に段ボールのハニカム構造の様なものを追加
これにより、枠と振動膜は点接地になり、音の響きがより繊細になる。
更に、もう一枚、ウレタンフォームを挟み込んだ
強い振動を与えてもビリつかない。
もう一つ音を決定づける要素
マグネットである。
上の写真は直径80mmのフェライト磁気回路で、120mmのフルレンジユニットから外したものである。
下の写真は直径190mmの大きなマグネット
12インチのアメリカ製のフルレンジ(どちらかというとウーハーに近い)のもの
写真では小さく見えるが、ダンベルのウエイトの様なものなので、設置には気を使う。
小さなマグネットはフレームにぶら下げてフリーにしていたが、重いマグネットは
そういうわけにはいかないので、振動膜の方を吊るす。
なぜ、ボルトで固定しないのか?不思議に思う方もおられるでしょう。
音を決定づける要素として、重要な事、それはアライメント調整である。
自動車のサスペンションでよく聞く言葉だが、ここでは磁気回路とボイスコイルボビンと
振動膜が一直線に並んで、スムースな直動運動を実現するためにする調整
しかし、完全にミスアライメントをなくすことは出来ないので、マグネットか振動膜、どちらかをフリーにしておく必要があると言うわけだ。もう一つ、ボルトより紐の方がアライメント調整が楽、というのも挙げられる。
音はというと
大きなマグネットの方が骨格のしっかりした太い音だ。
どうもボイスコイル径が関係しているようだ。
大きい方のボイスコイルは2.5インチ、小さいのは1インチ、これをセンターの一か所に集約して振動伝達するため、ここでかなり音質が変わる。
小さいマグネットは良く言えば繊細で、曲によってはこれも良いが全体的にハイ上がりな感じは否めない。
こちらのスピーカー、持ち運びが可能というのが強みなのだが、そうはいっても運ぶには注意が必要
オイオイ、普通スピーカーは持ち運びできるだろう?
それはそうなんだが、僕が言っているのはオートグラフやパラゴンの様なビンテージな高級品のこと、
始めからPAスピーカーとは比べていないし、ライバルとも思っていない。
*PAが良いとかダメとか言っているのではなくて、キャラクターが違うと言う意味。
下の写真は木下惠介記念館でコンサートを行ったときに取材を受けている様子
スピーカーが小さく見える
2017年1月追記
ボイスコイルとの連結
以前も書いたと思うがボイスコイルは直動運動するのが理想である。
そのためアライメントにはとりわけ気を使う。
そして、振動源であるボイスコイルと振動膜が強固に接合される必要があり、強固に接合すると、少しのミスアライメントも許容できない事態になる。
ここの矛盾する問題を解決しなければならない。
軸継ぎ手(カップリング)のようなものを実験で作った。
木材だからそれほど強度はないが、実験には事足りる。
腰の据わったしっかりした音になったのだが、ミスアライメントに対して柔軟性がなく、またズボッと挿してしまうので、その時点でアライメントの調整が難しい。
時間をかけて調整すればよいが、イベントで使うスピーカーなので、これでは困る。
後ろからボルトを貫通するやり方にしてみた。
ミスアライメントはあまり吸収しないが、アライメント調整は格段にやりやすい。
ボルトを穴のセンターになるように後ろのボイスコイル(マグネットも含めた機構全体)を移動させればよい。
この方式が今のところベストだろう。
このページの一番上にサブコーンのついた写真があると思うが、このサブコーンは付かなくなる。サブコーン自体大して音は良くなかったので、問題ない。
2016年4月13日水曜日
トーンアーム要釘接合
音を決定づける要素として、アームの割合が意外に大きい事は今さらながら良く分かった。
支点から後方のウエイトの距離を伸ばしたタイプが成績がよく、今回このタイプの3作目である。
竹材の硬さに影響されるので、慎重に竹材を選ぶ必要があるのは言うまでもないが、接合の仕方がことさら重要である。
100円ショップの接着剤を使ったときのこと、明らかに音が伸びているのに気づく。
物理的な硬さも、コニシ製の物と比べ100円ショップの物の方が明らかに硬いのである。
ドリルで削ってみても、前者はシュルシュルと大き目の切りカスが出るのに対し、後者はカリカリと粉状の切りカスになる。
とりあえず100円ショップの接着剤に乗り換えるとして、もっと重要な課題がある。
それは接着剤に頼らない接合方法の確立である。
(ここで100円ショップの方が良いと言っているのは、音に関しての話であり、普通に接着する場合、あまり硬いとせん断に弱く剥がれやすくなる場合もあるので、一概に硬い方が良い接着剤とは言えない)
そこで今回多用したのがダボ接合である。
ダボと言っても買ったものではない。山に生えている木の枝である。
ダボと言うより要釘に近い、その重要性は読んで字の如し。
通常はカナメモチと呼ばれる樹種を使うのだが、今回は山で見つからなかったので、ヒサカキである。
ヒサカキは非常に丈夫で柔軟性があり、石切の柄に使われるくらいである。
ウエイトの石はご覧のとおり、豆ほどの大きさだ。
これで十分バランスがとれる。
こちらも切り込みを入れて、接着剤なしで、ギュッと押し込むと簡単には外れないくらいの精度に作った。接着剤は補助的に使う程度である。
前作から実用化した「オール裸線伝送」
糸でいわえていき銅線どうしが触れ合わないよう固定するやり方だ。
これを使えば裸銅線(電線用でなく結束用でも可)を問題なく使える。
要釘方式の良い点は接合部分に馴染みにくい金属を使わなくて済む点にある。
物には決まった共振周波数と言うのがあって、それは素材によって、形によって違ってくる。
金属のネジがいくら強度があるからと言って、そういった物のなじみが悪く完全に一体化していない状況では、あまり意味がないのである。
ここでは金属ネジを使った接合は、カートリッジとアームの間のみである。
ここのネジは頻繁に絞めたり緩めたりするので、さすがに木製では痩せてしまりが悪くなってしまうためである。
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